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2015 年度 実施状況報告書

高程度を表す副詞の史的変遷に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 25770172
研究機関清泉女子大学

研究代表者

田和 真紀子  清泉女子大学, 文学部, 准教授 (30431696)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワード高程度を表す副詞 / 極度を表す程度副詞 / 評価的な程度副詞 / 程度副詞体系 / 中世後期 / 近世前期上方語
研究実績の概要

本研究は日本語の「高程度を表す副詞」の意味・機能が体系的にどのような変遷を遂げて、今日の体系に至ったのかを明らかにすることを目的としている。
平成27年度は、本研究4か年の内3年目に当たる。2年目に当たる平成26年度に行った研究の進展を受け、研究開始時の体系変遷の見通しに修正を要する点が見えてきたことを踏まえ、本年度は大きな体系変化が起きた中世後期の高程度を表す副詞の意味・機能の実態をより詳しく明らかにするため、同時代に多用された高程度を表す副詞の「コトノホカ(殊の外)」に注目して意味・機能を掘り下げる研究を行った。「コトノホカ」の調査と論文化によって、中世後期の高程度を表す副詞の共時的な実態の詳細を体系的に明らかにすることができた結果、前後の他の時代とは異なる中世後期特有の高程度を表す副詞の意味・機能体系を明らかにすることができた。(該当論文1;「古語と口語のはざまにある『天草版平家物語』の語法に関する一考察―「コトノホカ」と「モッテノホカ」の用法をめぐって―」『清泉女子大学キリスト教文化研究所年報』24、2016.05出版予定)
中世後期までの高程度を表す副詞の研究が本年度で一段落したため、同時に次の時代に当たる近世前期、かつ地理的に連続性のある上方語の高程度を表す副詞の研究に本格的に取り組めるようになった。本年度内の研究成果の発表には間に合わなかったが、近世前期上方語の中心的な資料である近松門左衛門の世話浄瑠璃の調査を進展させることができた。(該当論文2;「近世前期上方語における高程度を表す副詞の諸相と体系―「発見的な程度副詞」の台頭―」『近代語研究』19、武蔵野書院、2016.09出版予定)

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度は、本務校を移動して最初の年となったため、引っ越し・授業の準備・前任校から持ち出せなかった資料図書の再収集などに時間を取られたため、当初の予定よりも本研究課題の進捗がやや遅れ気味となった。

今後の研究の推進方策

本年度は、研究成果として結実しなかったが、これまで研究経験の浅かった近世資料について調査・研究をじっくり行うことができたため、研究結果をまとめることができるようになった。また次年度は本研究課題の最終年のため、すべての研究結果を書籍としてまとめる予定である。現在未論文化の部分については、書籍化にあたって書き下ろしとして発表する。

次年度使用額が生じた理由

高額図書を購入する金額としては不足していたため、次年度の交付額に繰り越して購入することとしたため。

次年度使用額の使用計画

『古語大鑑』3巻の購入を予定している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (2件) (うち謝辞記載あり 2件、 査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 古語と口語のはざまにある『天草版平家物語』の語法に関する一考察―「コトノホカ」と「モッテノホカ」の用法をめぐって―2016

    • 著者名/発表者名
      田和真紀子
    • 雑誌名

      『清泉女子大学キリスト教文化研究所年報』

      巻: 24 ページ: 未定

    • 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 近世前期上方語における高程度を表す副詞の諸相と体系―「発見的な程度副詞」の台頭―2016

    • 著者名/発表者名
      田和真紀子
    • 雑誌名

      『近代語研究』

      巻: 19 ページ: 未定

    • 査読あり / 謝辞記載あり

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公開日: 2017-01-06  

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