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2013 年度 実施状況報告書

近代日本における基本漢字文献の基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 25770173
研究種目

若手研究(B)

研究機関常葉大学

研究代表者

岡墻 裕剛  常葉大学, 教育学部, 講師 (30568340)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード基本漢字 / 漢字集合 / お雇い外国人 / 日本語学習
研究概要

1.現存本の調査
『文字のしるべ』の現存本について,日本全国の全ての大学図書館のサイトでオンラインによる蔵書検索を実施し,これまでに把握していなかった十数冊の現存本の存在を明らかにした。これらの諸本について,現地での調査ならびにILLによる取り寄せ調査を行うとともに,平行して海外の古書店が所有する現存本の存在にも着目し,国内から購入可能な現存本の入手を試みた。その結果,今年度は合計十冊の現存本について,当時の所有者の使用形跡の有無を確認することができた。調査の成果としては,今までの研究に引き続き,ほとんどの本に書き込みが見つかり,当時の外国人による日本語学習において本書の有効性・実用性の高さを証明することに繋がった。
2.他の文献との比較
1の研究調査と同時に閲覧が可能だったチェンバレンの他の著作についても調査を行い,使用形跡の量的・質的差異に注目すると,『文字のしるべ』では書き言葉の入門書という文献の特徴が色濃く表れていることが分かった。本研究の目的である当時の日本語学習者の漢字使用の実態の解明に寄与する調査結果である。
3.参考文献の特定
チェンバレンが『文字のしるべ』を作成時に参考資料とした漢字文献の特定をめざし,同書の序論の謝辞として7人の外国人について経歴や著作の情報を整理した。その結果,『文字のしるべ』の参考資料となった文献がほぼ特定できた。今後,より詳密な比較研究を行うであるが,LayのChinese Characters for the use of students of the Japanese languageが『文字のしるべ』と日本の漢字集合を結びつける鍵となる文献であることが分かった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究調査については,当初予定していた以上の数の現存本の調査を行うことができたために,当初の計画以上の進行状況であると言えるが,研究成果の発表については,現在のところ学会や論文の形では報告できていないためにこの点ではやや遅れている。そのため,総合して全体的には概ね順調と判断した。

今後の研究の推進方策

1.残る現存本の調査を行い,『文字のしるべ』全体を通して,当時の日本語学習・漢字学習の動態の概観を明らかにする。
2.記述内容,収録漢字とその字体,使用形跡に注目し,他の文献との比較を行う。それぞれの文献の独自の特徴を浮き彫りにするとともに,相互の関係性を明確化する。
3.研究成果の対外的な発表を行う。
4.漢字情報を整備し,オンラインデータベースとして公開をめざす。

次年度の研究費の使用計画

研究に必要な物品ならびに文献を発注したが,年度内に納品されなかったため。
研究出張を行う予定だった時期に,学内の別の出張業務を依頼され,他の期間に時間をとることができなかったため。
海外からに発注した文献(古書)のうち,未だ手元に届いていないものがあり,同時期に注文した他の文献についても現在立て替え払いの状態になっているため,まずはこれらが全て整い次第,精算を行う。
予定していた出張についても,今年度の夏季休暇の実施を予定している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 作為日語教材的《文字のしるべ》的性質和价値2013

    • 著者名/発表者名
      岡墻裕剛
    • 雑誌名

      石塚晴通編・唐ウェイ訳『敦煌学・日本語学(続編)』

      巻: 2 ページ: pp.384-390

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公開日: 2015-05-28  

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