歌合について、要素の多様性に注目した電子化を行い、形態論情報の整備を行い、「歌合コーパス」を構築した。これに基づき、品詞比率を調査し、和歌、散文それぞれの語彙の量的構造の解明を試みた。分析にあたり、形態論情報のほか、歌合特有の要素、文体、文境界等の情報を活用した。和歌については、和歌の内容により品詞比率に差があるが、この差は文章のジャンルを超えるものではないことが明らかになった。また、歌合日記については、「要約的な文章」の特徴を持ち、物語等の地の文とは異なること、特に名詞率が高いことが明らかになった。また、語数(音数)の制約や文の長さ以外に、名詞率の増加の要因が存在することが示唆された。
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