研究課題/領域番号 |
25770189
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
服部 明子 三重大学, 教育学部, 講師 (50609485)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 日本語教育 / ビジネス日本語教育 / 中国 / 接触場面 / 半構造化インタビュー / 会話 / 質的分析 |
研究実績の概要 |
本研究は、ビジネス日本語教育への具体的提言、教育現場への応用を目指すものである。 多文化環境の職場で日本語を用いてコミュニケーションが行われる際、母語話者と非母語話者の間の会話では、阻害が生じることが指摘されているが、実際にどのようなやりとりが行われ、何が阻害要因になっているかは、ほとんど明らかにされていない。また、日本の企業で働くアジア圏の非日本語母語話者と日本語母語話者の職場のコミュニケーションを質的に分析した研究は少ない。以上の目的のもと、平成27年度は、半構造化インタビューによる質的分析と実際の職場の会話分析を行い、以下3つの成果を発表した。 (1)口頭発表(日本語教育学会秋季大会、2015年10月11日於沖縄国際大学)「接触場面の職場における中国人ビジネス関係者の日本語使用に関する認識-インタビューの質的分析を通して-」 (2)口頭発表(シンガポールビジネス日本語教育国際研究大会、2015年11月22日於シンガポール日本人会館)「接触場面の職場における指導のやりとり-日本人上司と中国人部下の相互理解の過程に着目して-」 (3)査読付き論文(印刷中)「職場の接触場面における相互行為の質的分析-中国の企業内での日本人上司と中国人部下の会話を対象に-(A contact situation in the workplace: Conversations between a Japanese boss and a Chinese subordinate in China)」『シンガポールビジネス日本語教育国際研究大会論文集』
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初の計画では、平成27年度に日本国内でのインタビュー調査を5社10名に実施する予定であった。しかしながら、協力者を募ることが困難であったことから、実際は2社計5名への実施となった。予期しない調査の遅れによって、当初の予定からは遅れることとなった。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度は、本研究課題の遂行を目指し、成果の発表に努める。 研究の遅れを引き起こしたインタビュー調査については、十分ではないものの分析可能な最小限のデータが収集できたと判断されることから、平成28年度は調査を継続せず、データの分析および結果のまとめに焦点化した作業を行う。 また、平成27年度までに得られた職場会話のデータの質的分析も引き続き進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
産前産後の休暇または育児休業の取得に伴う期間延長申請および研究の進捗状況により、調査計画の変更、追加調査の実施が必要になったため。
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次年度使用額の使用計画 |
研究計画そのものについての大きな変更はないため、使用計画についても当初の申請書に準じて行う。
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