研究課題/領域番号 |
25770191
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
吉川 達 佐賀大学, 全学教育機構, 講師 (70599985)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ワーキングメモリー / リーディングスパンテスト / 日本語学習者 / 読解能力 |
研究概要 |
本研究では、日本語での読解能力がどのような要因によって左右されるのか、読解活動において作動するとされる脳内のワーキングメモリー容量からアプローチしようとしている。被験者はマレーシア人日本語学習者としているため、平成25年度はマレーシア人研究協力者の協力の下、被験者の母語であるマレーシア語版のリーディングスパンテストの開発を行った。リーディングスパンテストは、ワーキングメモリー容量を測定できるテストで、提示された文を音読し、それと同時に指定された語を記憶するというタスクである。 これまでいくつかの言語での読解能力とワーキングメモリーの相関が発表されているが、本研究においてもまずはワーキングメモリーの容量と日本語学習者の日本語読解能力に相関があるか調べるため、日本語読解能力測定のためのテストも開発し始めた。被験者が大学入学前の予備教育日本語学習者であることを考慮して、読解テストをアカデミックな日本語能力を測定する唯一の大規模試験である日本留学試験と同形式で作成している。 さらにどのような母語の日本語学習者であっても対応できるように、日本語学習者版のリーディングスパンテストの開発にも着手した。 加えて、漢字圏の日本語学習者にも同等の調査を行うために、香港の研究者とも共同研究を行う準備を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画していた事柄はほぼ順調に進んでいるが、3月に予定していたマレーシア人研究協力者との打ち合わせが4月にずれ込んだため、マレーシア語版リーディングスパンテストが完成していない。マレーシア語リーディングスパンテストの完成、プレテストの実施等も含め4月に行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
調査に必要なマレーシア語版リーディングスパンテストを完成し、プレテストを行い、本テストを実施する。それと同時に日本語読解能力測定のためのテストも同被験者に実施する。マレーシア人への調査は、26年度夏ごろ、マレーシアにて実施することを計画している。 また、当初の予定から変更した香港の研究者の協力の下、漢字圏の日本語学習者として香港人日本語学習者に英語版リーディングスパンテストを実施し、ワーキングメモリーを測定する。その後、マレーシア人日本語学習者に課したものと同様の日本語読解テストを実施して、日本語読解能力の測定を行う。 上記2被験者群を対照する。 さらに日本人大学生に日本語版リーディングスパンテストと日本語読解テストを実施し、モデルとなる日本語母語話者のデータを得る。それを日本語学習者のデータ分析の際に参照する。
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次年度の研究費の使用計画 |
当該年度の3月に予定していたマレーシア人研究協力者との打ち合わせが翌年度の4月にずれ込んだため。 翌年度の4月中旬に当該打ち合わせを予定しており、次年度使用額はその際に使用する予定である。
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