本研究は複言語環境で成長する学生の言語能力の向上に役立てるため、複言語環境下の生徒の言語実態を把握することで日本語教育、外国語教育、現地語教育の包括的言語教育の構想を検討することを目的とした。ブリュッセル日本人学校における調査からは,外国語としての英語と現地語としてのフランス語については,複言語環境に身を置いた期間や外国語学習の好き嫌いではなく,生徒の年齢が言語能力と最も相関関係を示したことが確認された。また調査から、三言語以上の教育環境では現地語教育と外国語としての英語教育に着目すると、日本の中等教育レベルにおける英語以外の言語を対象とする具体的教育内容の不明示性が課題として導かれた。
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