本研究では,日本語学習者の特殊モーラ、特に促音の知覚の誤りの傾向を分析し、第二言語としての日本語のリズム習得の普遍性を検証した。調査は,インドネシア語を母語とする学習者および台湾在住で中国語を母語とする学習者を対象に実施した。 調査の結果、母語の違いにかかわらず、促音のほうが長音よりも知覚が難しく、促音を含む重音節の位置とアクセント核の位置の関係が知覚成績に影響していた。また、促音知覚における誤りの特徴を分析したところ、母語の違いにかかわらず、促音を含む重音節があることは知覚できているが、その位置を誤る傾向を示している学習者が多かった。一方で「促音なし」という判断をする学習者は少なかった。
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