研究課題/領域番号 |
25770203
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
梁 志鋭 名古屋大学, 国際開発研究科, 研究員 (80648262)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 日本人英語学習者 / 読解 / 眼球運動 / 傍中心窩 / 知覚範囲 / 直列処理 / 並列処理 / Gaze-Contingent Paradigm |
研究概要 |
本研究は、日本人英語学習者の英文の読解プロセスが直列的に行われているか(単語を1 つずつ逐次的に処理する)、それとも並列的に行われているか(傍中心窩視に置かれる単語を含む2 語以上の単語を同時に処理する)について、学習者が大量な英語テキストを読む際の眼球運動データとテキストに出現する単語の特性との関連を観察することにより解明することを目的とする。 平成25年度前半は、日本人英語学習者の読解時における傍中心窩による言語処理に関する基礎知見を得るため、注視の位置と視覚刺激の呈示を同期させ読み手の視野に入る英文の文字数を制限・操作するGaze-Contingent Moving Window Paradigm を利用し、英語学習者の読解時の知覚範囲(Perceptual Span)と傍中心窩による言語処理を調べた。実験結果については、口頭発表として国際学会(2014 American Association for Applied Linguistics Conference)に発表し、論文として国際学術誌に投稿した(現在査読中)。 平成25年度後半は、本実験に向けて実験準備を着手した。まず、被験者の言語能力や個人差を測定するタスクも複数用意した。そして、実験材料として既存の英語テキストを利用し、約50人の日本人英語学習者と約20人の英語母語話者に対し予備実験を実施した。但し、予備実験の結果に基づき、より精緻な実験項目を利用する必要があると判断したため、日本人英語学習者の英語力を配慮した上で大量の英文を作成した。本実験での被験者についてもすでに一部選定した。 また、実験結果の一部は学会に応募し、26年度の前半に発表する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
25年度後半の研究計画として、本実験の実施を行う予定であった。 実験材料として既存の英語テキストを使用する予定であったが、予備実験の結果に基づき、より精緻な実験項目(単語の頻度、構文、未知語の数を統制)を利用する必要があると判断したため、自ら大量の英文を作成した。 また、英語学習者の傍中心窩による言語処理、読解時の知覚範囲についての実験結果を先に論文として公開する必要があると判断したため、予定より早く論文を執筆し国際学術誌に投稿した。 ゆえに、本実験の実施は予定よりやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
本実験の実施は予定よりやや遅れているものの、準備はすでに整えているため、26年度前半に、本実験を実施する。前期が終わるまでに、実験データを分析する。 26年度後半は、日本人英語学習者の読解プロセスが直列的か並列的に行われるかについて、研究成果を、学会発表、論文、そしてwebページを通して公開する準備を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
25年度後半の研究計画として、本実験の実施を行う予定であったが、予備実験の結果に基づきより精緻な実験項目を作成したため、本実験は予定通り25年度内に行わなかった。 26年度の前半の本実験で使用する予定である。
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