研究実績の概要 |
本研究は,グローバル人材の育成に必要不可欠な英語でのオーラルコミュニケーション(口頭での言語運用)に焦点を当てた語彙学習リスト及び自立学習支援システムの構築に向けた研究プロジェクトである。 本研究の目的に沿った語彙リストを作成するためには,データベースとして妥当性の高い英語の話し言葉コーパスを作成することが肝要である。話し言葉のデータソースとしては様々なメディアの活用が考えられるが,本研究計画では英語映画に特化したコーパスの構築を目標とした。DVDメディアを用いて英語映画とそれに類するテレビドラマ等の字幕英語のテキストデータを基にした話し言葉コーパスの構築を研究計画の中核とし, 前年度までの成果と合わせて最終年度には700万語を超えるコーパスを構築した。 また構築したコーパスのデータをコンコーダンサ(コーパスデータ分析用のソフトウェア)を用いて会話における出現頻度順に抽出し,話し言葉出現頻度順語彙リストを作成した。これを文科省検定済みの中学校・高等学校の英語教科書で学習対象となっている語彙群と比較することで,オーラルコミュニケーションで特徴的に表れる語群を明らかにし,これに基づいた語彙リストを作成した。本研究では,教科書語彙との比較対象として学習指導要領で中学校・高等学校の英語教育での学習目安とされている3,000語レベルの語彙リストを作成し分析対象とした。 話し言葉コーパスの特性と教科書語群との比較分析の結果及び作成した話し言葉語彙リストについては学術論文及び複数の学会で発表した。
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