研究課題/領域番号 |
25770214
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
坂田 直樹 久留米大学, 外国語教育研究所, 准教授 (70581114)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 第二言語習得 / 統語知識 / 語彙知識 / 多義語 / 高校教科書 / インプット |
研究実績の概要 |
平成27年度の成果は次の通りである。 ①心理言語調査の準備の完成:平成26年度までに高校英語教科書の内容を反映するように作成した連続する語からなる実験刺激について、心理実験ソフトEーPrimeへの組み込みを行った。また、4技能テストを同時に実施することで、「教科書によるインプット」→「心的統語知識」→「4技能の運用能力」という英語知識習得のプロセスを観察する予定であったが、使用する予定であった4技能テスト(GTEC)が、実施団体の内部事情で使用不可能であったため、実験自体は平成28年度に行うことにした。ただ、平成28年度の現役入学大学生から、高校での学習内容が変わるため、平成27年度中に、書面・WEBサイトを通して、実験参加者の募集は既に終えている。4技能テストの再開を平成28年度になった現在も待っているが、その目処が立たないため、平成28年度中に、2技能(リスニング・リーディング)とインプット、心的統語知識の連関を見る調査を代替として行う予定である。
②語彙知識に関する論文の執筆:統語知識に関連して、平成26年度に語彙知識への高校教科書の影響についての調査を行ったが、その内容の論文化を行い、先行研究のレビュー、結果・考察の記述等、ほとんどについて書き終えた。平成28年度中に、国際学術誌に投稿予定である。
③多義語に関する調査の実施:学習インプットの分析の一環として、中学校・多読用教材における多義語の出現状況を調査した。その中で、学習語彙の共起語に偏りがあることが判明し(例:動詞takeの共起語に、pictureの占める割合が大きい)、本科研研究の焦点であるインプットから学習者が前後する語の関係から獲得すると考えられる統語知識についても、偏りがある可能性があることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
延長申請をし、平成28年度まで科研研究を継続するが、データ処理・成果公表までの道筋は既に立っており、延長理由も、「使用する予定であったテストが、業者側の理由で使用不能であったためである」からである。
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今後の研究の推進方策 |
使用不能である状態が続いている4技能テストの代わりに、リスニング・リーディングの2技能のテストを使用し、さらに、既に準備を終えているPCを使用する心理言語実験を行うことで、平成28年度中に「教科書によるインプット」→「心的統語知識」→「4技能の運用能力」のプロセスに関する調査を終え、統計分析を施した上で、モデルを作成する。結果は、国際学術誌に投稿する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
使用予定であった英語4技能のオンラインテストが実施団体側の理由で一時的に使用不能となり、代替のテストを見つけることができなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
引き続き、平成28年度も上記4技能テストについて、使用不能の状態が続くことが判明したため、代替として2技能のテストを実施する。その費用として、「次年度使用額」を充てる。
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