平成27年度は、1)2014年に実施した質問紙による本調査(2014年調査)の結果分析、2)予備調査である2013年調査と本調査結果の背景や原因探求を目的としたインタビュー調査実施、そして3)研究のまとめを行った。 本調査用質問紙開発においては、教師の学生についての認識を収集するという目的で、次の6つの観点を基準として質問を作成した:教師が認識する①学生の性格や英語学習に対する態度、②学生の英語能力、③教師やクラスメートとの英語使用についての学生の好み、④教授・学習スタイルや方法についての学生の好み、⑤学生が英語を学習する理由、そして⑥学生がどのように英語あるいは外国語を学ぶべきだと考えるか。以上の①~⑥の観点において、英語第一言語(母語)教師(ETs)と日本語第一言語教師(JTs)の認識を比較した。単純な二グループ間の比較だけではなく、教授対象者の学生の専攻をもとにつくった教員グループ間での比較や、授業で目標としているスキルと認識との関連性の検証も行った。 また、本調査および予備調査の結果についてさらに多角的に検討を進めることを目的にインタビュー調査を行った。対象者は2014年調査に参加した2名のETsと2名のJTsである。インタビューでは、ETsとJTsの役割分担の在り方による弊害として、教師に対するイメージのステレオタイプの強化が指摘されるなど、興味深いデータが収集された。 本調査の結果については、学生の性格、態度等に関する部分を2015年8月に大学英語教育学会で発表し、内容はShimo(印刷中)にまとめた。また、学生の英語能力、英語学習理由、そして学習への取り組みに関しては別途の論文にまとめており、学会誌に投稿中である。インタビュー結果については成果報告書にまとめるが、今後の成果発表においても分析を深めたいと考える。
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