研究計画初年度であることから,既存の動機づけを高める方略を使用した上で,有能感の高まる過程を自由記述データの分析を通じて検討した。学習者の有能感を高めることは,有能性の欲求の充足につながり,学習者の内発的動機づけを高める上で非常に重要である。質的データを「SCQRMを使ったM-GTA」によって分析した結果,学習内容の価値の内在化によって,学習者は学習事項を積極的に授業で使おうと努力し,それが学習事項の習得へとつながり,その結果,学習者は英語力の向上を自覚するという過程が示された。 また今年度は研究計画の初年度であるので,動機づけの変動を測定する尺度の整備も同時に行った。既存の有能性の欲求の測定項目に「課題準拠」と「過去準拠」という観点を加えることで,より詳細に有能性の欲求の充足が測定できるようになった。
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