研究課題/領域番号 |
25770222
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
田中 真由美 信州大学, 教育学部, 助教 (50469582)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | クリティカル・リーディング / 英語教育 / 発問 |
研究概要 |
本研究の目的はクリティカル・リーディングの教授法を開発し、英語教材を開発するための示唆を得ることである。3年計画の1年目にあたる平成25年度は、既に作成済みのクリティカル・リーディングのための「発問チェックリスト」を、年間を通して高等学校英語科教諭2名に使用してもらい、ディスカッションや授業観察を通して、共にリストやそれを使用した授業の問題点や可能性を探った。 さらに多くの意見を得るために、6月に中部地区英語教育学会で「発問チェックリスト」に関する口頭発表を行った。また、12月には、中部地区英語教育学会長野地区研究会で講演を行い、クリティカル・リーディングを異文化理解の視点から議論した。平成26年3月には、渡英し、研究協力者とクリティカル・リーディング研究に関する海外の動向について話し合った。 研究協力者や様々な研究者から得られた主な知見は、クリティカル・リーディングの「発問チェックリスト」は教師だけでなく、生徒自身も使用できるものだということである。教師からの発問に誘導されて批判的に読むのではなく、リストを使うことで生徒自身が主体的に発問を考えられるようになるのではないかとの意見を多方面から得ることができた。また、どのように読めば批判的に読めたことになるかという評価規準を考える上でも参考になるとの意見も得られた。生徒の主体的な批判読みを促せるような指導や、生徒にもわかる「発問チェックリスト」の在り方を考える上で参考になる意見を得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の実施計画では平成25年度中に「発問チェックリスト」の修正を行う予定であったが、年度途中の10月に研究者の所属機関が変わったことで、予定通りのペースで研究を進めることが困難となった。研究環境を再度整えるのに時間がかかり、また、国内の研究協力者と物理的な距離ができたことで、予定していたスケジュールで会うことが難しくなった。しかし、26年度は研究環境も整い、研究協力者との会合も無理のないスケジュールで行うことができるため、昨年度の遅れは取り戻すことが可能である。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度前半に「発問チェックリスト」を修正し、後半は研究協力者に修正したリストを使用してクリティカル・リーディングの授業を行ってもらう。研究協力者の授業を観察したり、インタビューを行うことで、具体的な指導方法や手順の在り方を検討する。また、生徒に対してはアンケート調査を行い、クリティカル・リーディングの授業に関する意見を収集する。 研究成果の中間発表として、9月にイギリスで開催されるBritish Association for Applied Linguistics (BAAL)の国際会議でポスター発表を行い、海外の研究者や教育者から研究内容や成果についてフィードバックを得る。日本では、中部地区英語教育学会、全国英語教育学会、日英・英語教育学会のいずれかの研究大会で口頭発表を行う計画である。
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