本研究の目的は学習者が多読に対してどのような態度を有し、いかなる要因が多読に影響を与えるかを解明することであった。そのために、態度を5つの概念で捉え、それらの因子構造を調べ、多読との関係を調査した。またモデルを構築し、態度と多読との因果関係を検証した。 その結果、態度は5つの構成要素から成り、それぞれが因子を有し、その内の幾つかが、読語数や読書時間と有意な相関関係にあることが示された。さらに読書時間を行動指標とし、認知的態度と感情的態度を1つにまとめたモデル構築によって、(認知・感情的)態度⇒意図⇒多読(読書時間)というパスが最も強く多読行動を説明することが実証された。
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