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2013 年度 実施状況報告書

近世朝廷財政の総合的研究

研究課題

研究課題/領域番号 25770232
研究種目

若手研究(B)

研究機関東京大学

研究代表者

佐藤 雄介  東京大学, 史料編纂所, 助教 (20624307)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード天皇 / 財政 / 朝廷 / 幕政 / 政治史 / 江戸幕府
研究概要

近世の朝廷は、いかにして成り立っていたのか、また、その存在が関係を持つもろもろの相手にどのような影響を与えていたのか。この点を財政面から検討するのが本研究の目的である。
朝廷財政に関する研究は蓄積が薄いが、その最大の要因は史料の欠如にあるとされてきた。しかし、これまでの代表者の調査で、豊富とは言えないまでも一定数の史料が各所に存在することがわかった。
そこで、平成25年度は京都府立総合資料館・同志社女子大学・宮内庁書陵部などに赴き、関係史料の調査・収集を行った。具体的にいえば、「虎屋黒川家文書」・「松平文庫」などであり、研究基盤の整備がおおきく進行した。
これらの成果に基づき、論文の執筆を進めた。25年度の時点で掲載内定となったのは「近世女院御所の財政運営」(『日本歴史』791号、2014年4月)である。これは、これまであまり検討されてこなかった女院御所の財政運営のあり様を解明したものであり、従来奥の財政運営に対する幕府の関わりはほとんどなかったと評価されてきたが、じつは一定程度の関与があったことなどを明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

「研究実績の概要」でも述べたように、朝廷財政に関する研究が進展してこなかった最大の要因は史料の欠如にあった。そこで、本年度は史料の調査・収集を行い、研究基盤の整備を行った。京都府立総合資料館・同志社女子大学・宮内庁書陵部・国立公文書館・神戸市立博物館などに赴き、朝廷財政に関与した幕府諸役人や公家衆の史料などを得た(「松平文庫」・「寛文七・八・九年福知山藩日記」・各種武家伝奏の日記など)。
そのうえで、論文の執筆を進め、25年度の時点で『日本歴史』への論文掲載の内定を得ることができた。詳細は「研究実績の概要」を参照してほしいが、これは女院御所の財政運営の検討から、幕府と朝廷の財政面での関与について考察した論文である。このほかにも何本かの論文を執筆中である。

今後の研究の推進方策

まず、引き続き史料の調査・収集を行い、研究基盤の整備を進める。具体的にいえば、朝廷財政に関与していた幕府役人や公家衆の史料、朝廷と関係をもっていた御用達、料地の村々の史料などである(同志社女子大学・三井文庫・神戸市立博物館・国立国会図書館などに所蔵)。
そこで得られた成果、あるいは前年度の調査で得られた成果などを基にして、①幕末期の朝廷財政、②朝廷と御用達、料地の村々(および幕府)との関係などについて検討を行っていきたい。
いずれも研究の蓄積が薄いこの分野においても、とくに検討がなされていないところである。①については、言うまでもなく、朝廷の政治的位置が浮上する幕末期において、朝廷財政にいかなる変化が見られるのかといった点は、当時の政治史、朝幕関係を考えるうえで重要である。また、②の朝廷と御用達、料地の村々(および幕府)との関係に関しても、財政面においての朝廷の成り立ち、社会に与えた影響を考えるうえで基礎的な研究となる。

次年度の研究費の使用計画

各史料館で急激にデジタル画像の公開や写真撮影の許可が進んでおり、史料複製費が低かったのがおもな要因である。
本研究に関係する著書などが何本か出版されるようであり、「物品費」に充てたいと考えている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] 近世女院御所の財政運営2014

    • 著者名/発表者名
      佐藤雄介
    • 雑誌名

      日本歴史

      巻: 791 ページ: 59~76

    • 査読あり / 謝辞記載あり

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公開日: 2015-05-28  

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