本研究の具体的な研究活動は3つの柱で構成される。①日明関係史料群の調査と翻刻、②中世日朝関係のなかで輸入されてきた大蔵経の所在調査と関連史料調査、③日朝日明関係に深く関与した大内氏の在京活動の検討。 柱①については第一に、「策彦入明記録及送行書画類」所収の未翻刻史料をはじめとする史料紹介をいくつか公刊した。またそれらの成果をもとに『日明関係史研究入門』を公刊した。第二に、倭寇図巻研究の成果をとりまとめ刊行した。柱②については別科研とも連携し、幾つかの大蔵経の基礎的調査を継続的に行い重要な知見を得た。柱③については貴族の日記の翻刻を通じ時代に関わる基礎史料研究を行った。
|