研究課題/領域番号 |
25770238
|
研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
鬼嶋 淳 佐賀大学, 文化教育学部, 准教授 (60409612)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 日本近現代史 / 地域史 / 医療運動史 / 凶作 |
研究実績の概要 |
1.基本史料と位置づけている「大井医院・大島慶一郎関係資料」の調査・整理作業を進めた。史料整理は順調に進み、目録Ⅱの作成に取りかかり始めている。 2.「大井医院・大島慶一郎関係資料」の所蔵機関である埼玉県ふじみ野市立大井郷土資料館のあるふじみ野市で、史料の概要を紹介・報告した(2015年12月6日「ふじみ野市誕生10周年特別展記念講演会」)。地域における歴史資料の意義を伝えるとともに、関係者から新たな関係史料の情報提供をうけた。 3.1960年代~70年代前半にかけての大井医院を拠点とする医療運動について、資料収集を行った。医療機関側だけでなく、村議会議事録など行政資料の調査に力点をおいた。論文執筆のための準備が行った。 4.本研究課題は、医療運動に着目して戦後日本における地域社会の形成過程を歴史的に検討していくことだが、昨年度も報告したとおり、地域社会形成について医療運動に限定せず、生活全般を含めて検討する重要性が明らかになった。今年度は、とりわけ、歴史的前提として1930年代、食糧問題に着目して調査を進めた。具体的には、従来から研究対象としていた岩手県をフィールドに設定した。 5.「東北大凶作」の被害とその救済について、これまで明らかにされてこなかった町村レベル、部落レベルにまで掘りさげて調査を進めた。冷害対策として、救農土木事業など土木事業関係資料のほか、岩手県社会事業協会による託児所設置など社会事業関係資料、食糧にかかわるような配給、恩賜郷倉関係資料などを収集した。これまで収集していた県レベルや雑誌資料と組み合わせて検討する準備ができた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1.基本史料の意義を地域住民に紹介し理解を得ること、および、史料調査に集中したため、成果発表にまでは到らなかったが、成果を報告する準備は整った。
|
今後の研究の推進方策 |
1.これまで収集した史料をもとに、研究成果を発表する。 2.問題設定の広がりを踏まえ、医療運動に限定せず、地域の諸運動に注目して、地域社会形成の過程を歴史的に検証する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
2、3月の出張予定、および人件費、謝金の計画が、調査先、史料所蔵機関との都合が合わず変更となったため。
|
次年度使用額の使用計画 |
最終年度のため、研究成果の発表に力を注ぐことになる。年度前半に集中して出張費、人件費を使用する。
|