16世紀から17世紀日本における貨幣流通秩序の構造および時間的な変容について、史料の蒐集と分析によって、具体的な実態を明らかにしました。 具体的には、当時の京都における公家や寺社の日記における貨幣の使用記事を蒐集し、貨幣を使用する傾向の分析を行いました。その結果、16世紀後半に目立つようになった高額商品の流通に応じて金や銀が貨幣として用いられるようになり、16世紀末期になると、京都では銀が主要な貨幣として使用されるようになったことを明らかにしました。また各地の貨幣使用に関する史料も分析し、17世紀前半の西日本の各地では、地域独自の貨幣流通秩序が存在していたことを明らかにしました。
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