27年度は、26年度に引き続き、美濃国(岐阜県)における地域情報(官衙・寺院・経営体の所在や遺構、交通路の遺構や推定経路など)を集積するとともに、そこでの交通と地域結合の様態について調査・研究を進めた。その結果は1本の論文(「美濃守笠麻呂と席田郡」)と、2本の口頭報告(「席田郡建郡と古代の豪族」「美濃守笠麻呂と席田郡」)にまとめた。 また、26年度に引き続き、7~8世紀の交通や地域の状況の前提となる土地開発および土地政策に関する研究も継続的に進めており、著書(『日本古代の大土地経営と社会』)を刊行した。東山道諸国に関する史料の収集については、長野県飯田市歴史研究所と共同で進め、これまで収集したデータを整理した結果、約4500件を収集することができた。収集したデータの全体は、まもなく公表する予定である。なお、史料収集の成果の一部は、共著(『朝野群載 巻二十二 校訂と註釈』)にて発表している。
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