研究実績の概要 |
今年度は、これまで使用していたノートパソコンに不具合が生じたため、研究効率の向上をはかることも考慮して、デスクトップパソコンと海外携帯用の小型ノートパソコンを購入したことにより、年度ごとの「実施計画」の内容を入れ替え、および他の科研費での調査との合併などによって予算を調節し、研究を進めた。 8月に香港で調査を行い、香港大学の香港コレクションにおいて19世紀の宣教師資料(ロンドン伝道会、アメリカン・ボード)のマイクロフィルムを閲覧した。このほか、香港内の各書店で中国キリスト教史に関わる最新の研究成果を入手した。 また11月には上海で開催された「太平天国失敗150周年シンポジウム」に参加し、太平天国末期の欧米人の太平天国観の変遷について考察した論文を発表したほか、参加者との意見交換、情報収集を行った。会議後、南京に移動し、南京大学歴史系の孫江教授およびその学生たちと中国近現代史について座談会を行い、意見交換をした。 そして2月に、分担者として参加している科研費を用い、イギリス・オランダでギュツラフ関係史料の調査を行った。バーミンガム大学のCadbury Research Library, Special Collectionsでは宣教師ギュツラフが残した報告書や福漢会関連の資料を閲覧、写真撮影を行った。また、エジンバラ大学の神学部図書館(School of Divinity, New College)でギュツラフコレクション(福漢会関連)および中国に派遣された宣教師の関連資料を閲覧、写真撮影を行った。そしてオランダ・ライデン大学のEast Asia Libraryでギュツラフコレクション(漢文資料)を閲覧、写真撮影を行い、また、ユトレヒトの州文書館でもオランダ伝道会史料のなかのギュツラフ関連文書を閲覧、写真撮影を行った。 この調査により、当初の計画で調査対象としていたギュツラフ関連資料については、ほぼその全容をつかむことができた。
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