研究課題
若手研究(B)
本研究は、キリスト教化が進行したローマ帝政後期の東地中海世界において発生した都市空間の変容やギリシア文化の変容の一側面を明らかにすることを目的として、以下の三点に関わる調査をした。第一に、伝統的な多神教の神殿が破壊される社会現象や、新興の天使崇拝のための聖域が帝国内に広まる過程を分析した。第二に、ギリシア弁論家リバニオスの残した著作を基に、当時の有力者層の人的・文化的ネットワークを再構成した。最後に、教会史の歴史叙述の目的や、歴史人物像の時代を超えた受容経緯についての考察を加えた。
古代ローマ史