本研究は初期アメリカにおける女子教育の特徴を明らかにするともに、建国期の「女性の権利」論と人々の対英・対仏感情との関係について検討することを目指した。特に1790年代の女子教育をめぐる議論がアメリカ人のフランス革命への共感と密接に結びつきながら盛んになったことを明らかにした。 本研究にはボストン、ウースター、ニューヨーク、ロンドンにおける資料調査と、それに基づく学会報告、研究論文が含まれる。研究論文では初期アメリカの公教育論争についてと、メアリ・ウルストンクラフトのアメリカへの受容について論じた。本研究の最大の意義は女子教育史に環大西洋史という視角を与えることで新たな意味を見いだしたことである。
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