本課題は、王政復古期イギリスにおける政治社会・政治文化の変容を、「臣民」と「市民」という二重のアイデンティティに着目して考察したものである。とくに1670~80年代の「王位継承排除危機」の法廷闘争を、1) 法廷史料やパンフレット分析から再構築し、2) 係争をめぐる諸利害の交錯/連動を抽出した上で、3) 民衆の新たな政治参加形態を検証することを課題とした。 これらを通じて、ステュアート三王国の「復古危機」の時代において、君主政と市民的政治社会の性質が重要な変化を遂げたことを文化史的視角から明らかにした。
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