研究課題/領域番号 |
25770271
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
水谷 智 同志社大学, グローバル地域文化学部, 教授 (90411074)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 英領インド / 植民地支配 / 教育政策 / 官僚制 / 英語 |
研究実績の概要 |
本年度は、過去2年間に行った実証研究の成果を発表するために論文執筆の作業を進めた。最初の成果公表の場として、東京外国語大学で開催された「国際ベンガル学会第4回大会」を選び、4月に公募に応募し、ペーパーのアプストラクトが受理されたあとは、学会が開催される12月までをペーパーの執筆にあてた。イギリスの植民地統治に関する近代ベンガル史学では、これまで「教育された現地人」(educated natives)の存在に重点を置いて歴史叙述がなされてきたが、本研究はこれまで軽視されていた「生半可に教育された現地人」(semi-educated natives)層がイギリス支配に持った政治的意味合いについて一次資料に基づいた実証研究を行った。その成果をもとにペーパーの執筆を行い、12月13日に'The Emergence of'Semi-educated Natives': the Colonial Politics of Education and Bureaucratic Recruitment in Bengal, ca.1830-1880'というタイトルで口頭発表を行った。12月の学会発表以降は、ペーパーの執筆の過程で浮上したものの未解決の問題、および発表後の質疑応答で指摘された問題に着目しながら、活字化に向けて論文の加筆修正および追加の資料収集を行った。学会発表のためにペーパーの執筆を行ったことによって、学術論文の輪郭がほぼできあがったものの、仮説の立証のためにはさらに重厚な議論が必要であることが分かった。今後、必要に応じてさらなる史料を調達しつつ、すでに採集したものの分析の深化につとめ、執筆中の論文をバージョンアップしていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
学会発表用のペーパー執筆の過程でこれまでの研究ではカバーできていない領域が明らかになった。
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今後の研究の推進方策 |
学会で発表した英文のペーパーをもとにした論文を完成させ、国際学術雑誌に投稿する。
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次年度使用額が生じた理由 |
国際学会での口頭発表用の原稿執筆過程で、学術論文の完成のためには次年度の研究続行が必要であることが判明したため。また、過去3年間は所属学部において学部運営のための要職にあり、計画通りに研究を進められなかったのも理由の一つである。
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次年度使用額の使用計画 |
論文を完成させるのに必要な資料の購入に充てる。
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