研究課題/領域番号 |
25770275
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
梶原 義実 名古屋大学, 文学研究科, 准教授 (80335182)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 考古学 / 国分寺 / 古瓦 / 造瓦組織 / 日本史学 / 仏教史学 |
研究実績の概要 |
26年度は、おもに東海・北陸・信越地域などを中心として、各国国分寺・国府等の古瓦資料に関する資料調査をおこなった。 東海地域については筆者が過去に研究対象としたことがあるものの(梶原義実2003「造瓦組織の復原と瓦当文-東海地域の国分寺から-」(『史林』86-3))、その後駿河や尾張などで提示された新知見に伴い、過去の論考に修正が必要な部分が出てきている。それに新稿である美濃・伊豆を加え、このたび2本の論文を著し、「国分寺瓦の諸相(1)-尾張・美濃国分寺について-」「国分寺瓦の諸相(2)-伊賀・志摩・駿河・伊豆国分寺について-」として投稿中である。とくに尾張や美濃において、国分寺の本格的造営が天平勝宝~天平宝字年間まで遅れる可能性を、瓦の編年観から導き出したことは、今後の研究にあたって重要なことである。 また信越および北陸地域についてもすでに資料調査をほぼ完了しており、近日中に講演資料として提示予定である(美浜町歴史フォーラム「再論 若狭の古代寺院」2015年10月予定)。 本年度刊行されたおもな論文としては、国分寺瓦を含めた瓦研究のあり方についての私見を著した「瓦があらわすものとは」(『考古学研究60の論点』考古学研究会)および、西海道地域での国分寺を含めた古代寺院や駅家およびその出土瓦についての考察として「九州北部地域における古代寺院の展開~豊前・筑前の寺院選地を中心として~」(『九州考古学』89)などを上梓した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
資料調査・論文執筆ともある程度順調に進んでおり、すでに当初の研究目的に沿った諸論を、地域ごとに上梓しはじめている。
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今後の研究の推進方策 |
27年度においては、さらに対象地域を東西に広げ、畿内および関東地域の国分寺等を優先的に資料調査の対象としていきたい。また余力があれば、山陽道・山陰道・南海道の様相も調査をおこないたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
旅費・物品費等の端数が生じたため。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度分と合算して、引き続き主に旅費に使用していく。
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