本研究の目的は、2000年代以降、豊富な発掘調査事例と研究の増加によって、再構築が必要となった古墳時代対外交流について、韓半島系土器の受容過程を実証し、その時期的・地域的展開から背後にある日韓交流の質的変化を探ることである。研究成果として、古墳時代対外交流を「物資入手型」と「技術(文化)導入型」にモデル化し、2つの対外交流戦略が前者から後者に移行する過程を考古資料に基づいて論じ、日韓交流の変化と渡来文化の戦略的受容が日本古代国家形成に大きな役割を果たしたと結論付けた。そして、こうした古墳時代対外交流の理解を、論文、国内外の口頭発表などを通じて発信した。
|