研究課題/領域番号 |
25770291
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研究機関 | 九州歴史資料館 |
研究代表者 |
岡寺 良 九州歴史資料館, その他部局等, 研究員 (70543693)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 脊振山 / 山岳信仰 / 山岳霊場 / 経塚 / 歴史考古学 |
研究実績の概要 |
本年は、研究事業の3ヵ年目となり、年度前半に脊振山系の稜線上のうち、石谷山周辺および荒川峠~獅子舞山~長野峠の現地踏査、さらには周辺部の調査として、二丈岳の経塚の発掘調査、糸島周辺の山麓の行場の現地確認を、山本義孝氏や糸島市教育委員会の協力の元に実施した。 それらの成果を踏まえ、9月には第36回日本山岳修験学会において、学会発表「脊振系の山岳信仰-山系所在の寺社・信仰遺跡の現地調査から-」を行うと共に、研究成果の公開として、糸島市立伊都国歴史博物館において企画展「国境の山岳信仰-脊振山系の聖地・霊場を巡る-」を企画・開催した。展覧会に際しては、展覧会図録についても作成した。また、展覧会期間中にはシンポジウム「国境の山岳信仰-脊振山系の聖地・霊場を巡る-」を実施し、岡寺のほか、研究協力をいただいた山本義孝氏(袋井市歴史文化館)・吉田扶希子氏(西南学院大学)の講演の後、パネルディスカッションを行い、本研究・展覧会の意義について総括した。 本年の調査の中ではこれまで全くその存在が知られていなかった二丈岳の経塚を発見し、未盗掘の経塚を発掘調査できた成果が最も大きい。脊振山系の山岳信仰を考える上では新たに重要な知見を加えることができたといえよう。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本来、27年度で研究事業は終了する予定であったが、二丈岳の経塚の予期せぬ発見など、新たに重要な調査内容が増加したため、事業を終了することができなかった。そのため、研究期間を1ヵ年延長している。
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今後の研究の推進方策 |
27年度までの調査成果を元に、最終年度となる28年度には若干の補足調査を行うとともに、調査報告書を作成・刊行し、研究を終える予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初計画していた研究報告書の作成等が次年度にずれ込んだため、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
補足調査のための旅費のほか、研究報告書の印刷経費等に使用する予定である。
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