本研究は、近年の、地縁組織などエリア型コミュニティの主体的な役割を重視した政策に伴う、エリア型コミュニティの地理的不均等発展の実態とメカニズムの解明を目的としたものである。具体的には、2000年以降に普及のみられる自治体内分権制度を対象事例とし、全国の基礎自治体1,741団体を対象としたアンケート調査と、5つの自治体でのインタビュー調査を中心とした現地調査をもとに検討した。その結果、もともと基盤のしっかりとしたエリア型コミュニティにおいて、自治体内分権制度がより機能していることが示唆されるなど、こうした制度の導入が、エリア型コミュニティの地理的不均等発展を惹起している可能性が確認された。
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