研究課題/領域番号 |
25770299
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 芝浦工業大学 |
研究代表者 |
栗島 英明 芝浦工業大学, 工学部, 准教授 (80392611)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | バイオマス利活用 / 持続可能な地域 / ソーシャル・キャピタル / 環境・経済・社会評価 |
研究概要 |
1.バイオマス利活用に関わる持続可能性要素の明確化 策定・公表されたバイオマスタウン構想書およびバイオマス活用推進基本計画を収集し、これを詳細に分析して、バイオマスの種類、利活用(変換)方法、想定する効果、推進体制、これまでの取り組み状況に関して整理してデータベース化を行った。これらの記述から、バイオマス利活用に伴う環境・経済・社会的な要素を抽出した。 2.明確化された各要素についての定量的データの収集・分析 1の作業で明確化された各要素について、千葉県香取市、岩手県紫波町、北海道標茶町、北海道稚内市、福岡県大木町、愛媛県内子町などの複数地域の定量的なデータの収集・分析を行った。収集したデータは、人口、世帯数、産業構造、農地面積といった地域の一般的な属性データのほか、各種バイオマス賦存量やバイオマス変換施設の能力などバイオマス利活用に関わるデータなどである。 3.社会関係資本とバイオマス利活用の関連分析 先行的に行っていたバイオマス利活用を行っている自治体でのバイオマス利活用とresorce generatorによるソーシャル・キャピタル(SC)に関するアンケート調査結果を用いて、バイオマス利活用とSC、地域の持続可能性の関連についての共分散構造解析を行った。その結果、住民と深くかかわる生ごみリサイクルでは、地域のSCが高まり、それが地域の愛着や満足度につながっていることが明らかとなった。分析の結果は、国内学会および国際学会で発表し、研究者との議論を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
事例地域におけるアンケート調査やヒアリング調査は、対象自治体との連携が必要であるが、関係構築が間に合わなかったため、アンケート・ヒアリング調査は遅れている。その一方で、平成26年度に実施する予定だったソーシャル・キャピタルとバイオマス利活用の関係については一定の分析結果を示すことができた。
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今後の研究の推進方策 |
定量的データの収集・分析、事例地域のでヒアリング調査については平成25年度に引き続いて実施する。社会関係資本との関連分析を引き続き進める。 抽出された地域の持続可能性の各要素を用いてバイオマスとの因果モデルを構築する。モデルの構築にあたっては、国内外の学会などで研究者と意見交換を行って、骨格を作成する。 国内外の学会で情報収集を行うとともに成果発表を行って、研究者とディスカッションを行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初計画していたバイオマス利活用自治体に対するアンケート調査を実施しなかったことと、予定していた国際学会出張を他の予算で行ったため。 最終年度に国際学会での発表を予定しており、その研究旅費として使用する予定。
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