陽春市山間部の人々のように客家系の言語を話すことは自覚しながらも、「客家」や「客家文化」とはほぼ無関係に生きてきた人々も数多く存在する。水上居民についても、資源化をする人々とそうでない人々の差異は大きい。「少数民族」あるいは、「水上居民」「客家」など、かつて非定住民を指したカテゴリーは、特定の時代・状況では大いに意味をなした。しかし、現在中国においては、歴史的記載の有無や経済状況などが、こうしたカテゴリーを用いて文化資源化する上で大きな意味を持っている。 少なくとも現在では、文化を資源化する(できる)人としない(できない)人の差異は、政策によって「民族」になったかどうかという点にはない。
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