研究課題/領域番号 |
25770310
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
木村 周平 筑波大学, 人文社会系, 助教 (10512246)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 文化人類学 / 災害文化 / 歴史人類学 / 津波 |
研究概要 |
初年度は、「災害文化」に関する文献収集を行うと共に、大船渡市綾里地区において、これまでの間に関係を形成してきた人々を中心に核となるグループを決め、彼らを中心にして現地調査を進めた。 調査は、夏季休暇と春期休暇にそれぞれ1週間から10日程度、および4月、7月、12月に数日程度の短期調査を行った。そこでは、定点観測的に彼らの状況と、それぞれの地域における復興の進展の捕捉することにつとめた(具体的には、避難所から仮設住宅へ、そして移転・再建へと至るなかで、どのような組織化がなされてきたのかを、聞き取りを通じて、その人々を取り巻く職業や親族、地域、同級生などのネットワークとの関わりで明らかにするべく聞き取りを行った)。 夏季の調査では、綾里地区の中心部において、昭和三陸地震からの復興のプロセスについて詳しく聞き取りを行うことができた。春季の調査ではその続きを行い、高所移転やその後どのように海に近い低地にも家が建っていったのかについて、当時を知る方々から貴重なお話を聞くことができた。また、春季の調査においては大船渡市立図書館において、統計データを含め、本研究の対象とする期間における様々な記録を収集することができた。これは次年度の早い段階でデータベース化していく予定である。 調査成果は、11月にアメリカ人類学会で報告し、また複数の原稿にまとめた。夏季調査の結果については報告書を作成し、聞き取り対象者に配布した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は異動して環境が変わり、新たな講義を行う準備などに追われ、計画と全く同じようには調査を進めることはできなかった。しかし、同じ地区で調査を進める別の研究者と意見交換し、時に共同で調査を進めることによって、短い現地調査機関で予想以上の成果を上げることができ、またその成果を報告する場にも恵まれた。 以上の点を踏まえて、本研究はおおむね順調に進展していると評価できる。
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今後の研究の推進方策 |
当初計画では大船渡市の二つの地区を同時並行的に調査することとしていたが、初年度は一地区(綾里)の調査だけになってしまったため、二年目はもう一つの地区(大船渡)の調査を重点的に行う。
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