研究課題/領域番号 |
25770312
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 総合地球環境学研究所 |
研究代表者 |
清水 貴夫 総合地球環境学研究所, 研究部, プロジェクト研究員 (10636517)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | アフリカ子ども研究 / 子どもと教育研究 / 人類学における統計調査 / 国際情報交換 / 研究者とNGOの協同 |
研究概要 |
2013年度の研究で2つの調査が中心となった。 第一に行ったのが2014年3月に行ったブルキナファソにおけるクルアーン学校調査である。この調査では、ワガドゥグ市北部の非分譲雑居地域を中心としてクルアーン学校の訪問調査を行い、結果的に都市構造上の中心部3区と周縁部1区の調査が終了し、本調査の一応の区切りがついた。 第二に、本研究の問題関心の原点にある「ストリート・チルドレン」の統計調査を現地NGOの協力を得ながら実施した。この調査はまず2014年2月(乾季)に行われ、2014年度には雨季に行われる。この2度の調査により、「ストリート・チルドレン」実数の季節変動を確認するという新規性も備えている。この統計調査は同国で2009年以来行われていないものであり、学術的意義を越えるものであり、すでに同国社会行動省や基礎教育省とも連携しながら行われている。 2013年度の成果発表に関しては、まず、第50回日本アフリカ学会において、竹ノ下祐二氏(中部学院大学)らと分科会「「アフリカ子ども学」フォーラム:フランコフォン・アフリカの学校教育と「伝統」教育」」を形成し、フランス語圏アフリカの子どもと教育を鍵概念とした研究発表を組織した。9月には同名の報告書を『アフリカ研究』に執筆した。このときの研究グループは、2013年8月にセネガル共和国、ダカール市でシンポジウムも行ってきた。これは、アフリカで得た知見を還元する試みであり、現地研究者との意見交換も充実したものとなった。 また、「ニジェール共和国における伝統教育と社会 ザルマ社会のイスラーム教育」(大塲麻代編 『多様なアフリカの教育-ミクロの視点を中心に-』. 未来共生リーディングス, Vol.5. 大阪大学未来戦略機構第五部門, 大阪府豊中市, pp.69-79)を執筆しこれまでに本研究の素となる関心の元でニジェール共和国農村部で行われた研究調査を論文にした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2013年度の研究では、2点の目的(クルアーン学校の訪問調査と「ストリート・チルドレン」の統計調査)を主眼として調査を遂行した。統計調査の経費が想定以上にかかったために、クルアーン学校訪問調査の日程が短くなるなど、多少の変更点はあったが、事後対処が順調に進み、目標としていたデータが得られたものと考えている。 また、研究成果報告に関しても本年度は本研究課題に関連する論文と学会等の成果公表は分担執筆1件、報告書2件、学会発表3件となり順調である。
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今後の研究の推進方策 |
2014年度も2013年度の調査を踏襲する形で、ブルキナファソ、ワガドゥグ市を中心に調査を遂行する予定としている。当初の予定では、セネガルでの調査を予定していたが、ワガドゥグ市での調査に重点をおき、こちらの調査の進捗から柔軟に判断していきたい。 2014年度は雨季(8月ころを予定)にワガドゥグで行う統計調査を中心に調査日程を組み立てる。この調査終了後には、データ整理および分析を行い、報告書の作成を日本語およびフランス語で行い、その後に現地当局およびNGOとの情報共有を行う。 また、クルアーン学校調査に関しては、ワガドゥグ市周縁部のクルアーン学校および、フランコ=アラブ(近代教育とイスラーム教育の折衷校)での参与観察調査を行う。 2013年度の成果発表に際し、子どもと学校(教育)という枠組みから子どもの顔が見える調査研究を行うべきとの意見をいただいており、この点に留意し、より精緻で細密な調査研究を心がけたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
2013年度は15,230円の未使用金が生じた。これは、計上していた物品費のうち一部を使用しなかったためである。 本年度はこの未使用金を元に、GPSを1機買い足す予定である。
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