研究課題/領域番号 |
25770315
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研究機関 | 国立民族学博物館 |
研究代表者 |
川瀬 慈 国立民族学博物館, 文化資源研究センター, 助教 (30633854)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | アフリカ / 無形文化 / 民族誌映画 / 映像人類学 |
研究実績の概要 |
平成26年度は5月に開催された日本文化人類学会50周年記念国際研究大会(IUAES 2014、於:幕張メッセ)にて『New Horizon of Anthropological Films from Japan』と題した上映企画を行い、各国の映像人類学者と映像民族誌の制作方法論に関する議論を行った。さらに、学術雑誌『年報カルチュラル・スタディーズ』第2号の映像人類学特集企画に、研究課題に関する論稿を発表した。年度後半には、編著者として関わった出版物『フィールド映像術』(古今書院)、そして『アフリカンポップス!文化人類学からみる魅惑の音楽世界』が刊行された。これらの出版物を通して、報告者の制作方法論の変遷や作品に対する様々な社会的文脈における視聴者の反応について考察した論稿を発表した。報告者が制作した映像民族誌の特集上映が以下の場や機会に企画・実行され、フランスを除くすべての会に参加し、上映後の討論に参加した。
第7回中華人民共和国映像人類学会年次総会/貴州師範大学(中国、8月、2作品の上映)、ブレーメン大学人類学・文化調査学部(ドイツ、11月、5作品の上映)、トロムソ大学映像文化研究科+トロムソ大学博物館(ノルウェー、11月、8作品の上映)、第8回シネマ・ヴェリテ・国際ドキュメンタリー映画祭(イラン、12月、2作品の上映)、La Péniche ANAKO(フランス、2月、3作品の上映)
さらに、全州市(大韓民国)において10月に開催された第1回無形遺産国際映画祭においては、企画構想段階から、アドバイサー的にかかわり、映画祭当日も、報告者の作品上映を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成26年度に計画していた国際機関や行政機関での無形文化を対象にした映像記録データの管理や分類についての調査や資料収集を行うことができなかったが、逆に、平成27年度に予定していたいくつかの論文発表を平成26年度中に行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後はとくに、国際機関や行政機関での無形文化を対象にした映像記録データの管理や分類についての調査を優先して実行する。同時に文化遺産をめぐる国際的なポリティックスにも留意しつつ、無形文化の映像記録の有効性についての研究と考察を報告者と研究関心を共有する研究者との研究交流を行いつつ進めていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定をしていた国際機関、行政機関での無形文化映像データの管理、使用に関する調査を行うことができなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度に、アジスアベバの国立博物館、および文化保護局を訪問し、昨年度実施できなかった調査、インタビューを進め、予算を適切に使用していく予定である。
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