本研究は、裁判員制度と弾劾制度という2つの制度の分析を通じて、自由主義と民主主義との相克について探求するものである。両制度ともにその制度の意義をめぐっては、自由主義的に基礎づけるべきか、それとも民主主義的に基礎づけるべきかで、議論が分かれている。本研究では、裁判員制度に関しては、その制度設計時に参考とされたアメリカ合衆国の陪審制度との比較により、また、弾劾制度に関しては、その起源である同国の弾劾制度との比較を通じて、その原理的な面から遡って、制度とその運用を分析することによって、各制度の意義を再検討した。
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