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2014 年度 実施状況報告書

公教育上における生徒の宗教的自由への配慮に関する比較憲法的考察

研究課題

研究課題/領域番号 25780024
研究機関沖縄国際大学

研究代表者

西山 千絵  沖縄国際大学, 法学部, 講師 (20633506)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード信教の自由 / 子どもの自由・権利 / 政教分離
研究実績の概要

今年度も、昨年度に引き続き文献と資料をもとにし、昨年度得た視座を踏まえながらアメリカ合衆国における公立学校内の生徒の宗教的自由に関して、各論的な検討を進めた。子どもの宗教的自由の保護について必要な視点を探ることを端緒として、公立学校の学習環境と宗教的色彩との調整について、連邦最高裁のレベルでいかなる憲法解釈を志向してきたかを明らかにしつつある。

また、2014年度9月に渡米し、スタンフォード大学ロースクール図書館、フーバー研究所においてさらなる資料収集を実施した。同大ロースクール付属の人権センターでは講演会もご紹介いただいた。米国における問題意識は、いわゆるイスラム国拡大への懸念と宗教間対話の必要性との間で、規制を強める方向性が(広義の安全保障的な意味合いでも)あるようだが、いかなる基準を適用して合違憲性を決するべきかについての判例分析は観念的というよりは、具体的・生産的、実践的であるように見受けられる。わが国の状況よりも事例が多いこともあいまって、滞在によって有益な示唆を得ることができた。

子どもが公立学校において主張する宗教的自由は、宗教的自由一般や公的空間における宗教一般を考えるのとは少し異なり、親などの保護者が有する「子どもの教育権」の位置づけが欠かせない。子どもの権利にかかる議論を参照しつつ、子どもの基本的権利の特殊性をどう考えるのか、当初構想していたよりも扱うべき内容・論点が広範となってきた。教育権論を本研究課題に引きつけて問題点の摘示することも含めて、できる限りの比較を進めることが来年度の課題となる。現在も作業進行中だが、まずは一定の成果を「沖縄法学」にて公表したい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

昨年度の資料収集・分析の遅れを補うことができ、現在は順調に取り戻している。

今後の研究の推進方策

資料・文献収集はほぼ目標に達しつつあるため、あとは分析・再構成に時間を割く段階である。研究計画に即して、これまでの成果を刊行すべく作業に鋭意取り組むこととする。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] さまざまな価値観を尊重するために(信教の自由と政教分離)2014

    • 著者名/発表者名
      西山千絵
    • 雑誌名

      プレステップ憲法

      巻: PRESTEP17 ページ: 98-107頁

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 判例研究 戸籍法49条2項1号の規定のうち出生の届出に係る届書に嫡出子又は嫡出でない子の別を記載すべきものと定める部分と憲法14条1項[最高裁第一小法廷平成25.9.26判決]2014

    • 著者名/発表者名
      西山千絵
    • 雑誌名

      沖縄法学

      巻: 43 ページ: 127-144頁

    • オープンアクセス

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公開日: 2016-06-01  

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