| 研究課題/領域番号 |
25780031
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| 研究機関 | 静岡県立大学 |
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研究代表者 |
坂巻 静佳 静岡県立大学, 国際関係学部, 講師 (10571028)
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| 研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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| キーワード | 主権免除 / 国家元首 / 外務大臣 / 政府職員 / 刑事裁判手続 / 国家免除 / 国連国際法委員会 |
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| 研究実績の概要 |
本研究の目的は、国家元首や外務大臣らは外国国家の国内裁判所で裁判に服しめられない（つまり、外国国家の裁判所の裁判権から免除される）という国際法規則（いわゆる国家元首の免除、政府高官等の免除）の趣旨目的、射程及び内容等を明らかにすることを通じて、国際法上の免除の全体像の解明を目指すことにある。
平成27年度は、引き続き国家元首および政府高官等の免除について調査するとともに、それらと国家免除との関係性について、学説を中心に検討をすすめた。
以上の調査・検討から、主として明らかになったことは以下の3点である。第1に、政府職員等の人的免除を享有する地位の範囲を画するに際し、国際関係において国家を代表する地位であるかが考慮されることにはほぼ異論がないが、それに加えて、それが国内平面において重要な地位であることも考慮しうるか、また国際法上国家を代表することが認められていなければならないのか、それとも職務上実際に国家を代表していればよいのかについては、議論がある。第2に、政府職員等の事項的免除は、国家免除の回避を防止する機能を果たし、それが究極的には国家に由来すると通説的に理解されてきた。また事項的免除はしばしば、国および個人の国際法上の責任が認められることを根拠に説明されてきたが、国家責任法と免除に関する国際法は異なる保護法益を有する別の法体系であり、この点については異論がある。第3に、政府職員等の事項的免除については、刑事手続と民事手続とを区別して捉える必要があるか否かが問題となってきた。いずれの立場をとりうるかは、各手続が事項的免除の保護法益に与える影響との関係で評価する必要がある。そのほか、事項的免除の付与される範囲、事項的免除の例外、人的免除および事項的免除の放棄・援用等についても学説を中心に整理した。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度実施予定であった、国家免除、国家元首の免除及び政府高官等の公務員の免除の関係性の検討には着手できたものの、学説を中心とした検討にとどまり、国家実行の十分な検討には至らなかった。本テーマの研究について、研究代表者が容易に利用できる研究資源が乏しく、国家実行の調査・収集にきわめて時間がかかっていることがその一因である。平成28年度も引き続き、国家免除、国家元首の免除及び政府高官等の公務員の免除の関係性の検討を、国家実行を中心に進める必要がある。
また、民事裁判手続からの免除についても不十分な検討にとどまったため、平成28年度も継続が必要である。
したがって、「やや遅れている」との評価に至った。
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| 今後の研究の推進方策 |
前年度に引き続き、国家免除、国家元首の免除及び政府高官等の公務員の免除の関係性の検討を継続する。とりわけ国家実行の検討を進める。また、今年度実施予定である、免除に関する諸規則と、国際人権法・国際刑事法との関係性の検討についても、国家実行および学説の検討のなかで、随時並行してすすめていく。
研究代表者が容易に利用できる研究資源が乏しく、国家実行の調査・収集に想定以上の時間がかかっている。進行状況によっては平成29年度への期間延長を視野に入れつつ、着実に遂行していきたい。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
研究の進捗が予定よりやや遅れたことに伴い、そのために使用を予定していた予算の遂行が平成28年度にずれ込んだため。購入を予定していた書籍の発行が遅れたり、入手困難になって、注文がキャンセルされるなどしたため。予定していた資料収集が予期せぬ事情により延期となったため。
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| 次年度使用額の使用計画 |
研究の進捗にあわせて、予算を執行する。
予定していた書籍の購入、資料の収集につとめる。
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