研究課題/領域番号 |
25780034
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
北坂 尚洋 福岡大学, 法学部, 教授 (60346129)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 国際家族法 / 国際結婚 / 同性婚 |
研究概要 |
「研究計画」に書いたとおり、まず、「婚姻の挙行及び有効性の承認に関する条約」(1978年ハーグ条約)における同性婚及び婚姻類似の関係の取り扱いについての研究から始めた。そして、夏期休暇を利用して、オランダのハーグを訪れ、主として国際司法裁判所図書館で、1978年ハーグ条約などに関する資料・情報の収集を行った。 また、2013年から2014年にかけて、イギリスでは、イングランド、ウェールズ、スコットランドで同性婚が認められた一方で、北アイルランドではその見通しが立っていない状況にあると報道されているように、イギリスでは、同性婚に関する法状況に大きな動きがあった。そこで、その調査のため、イギリスのロンドンを訪れ、ロンドン大学のInstitute of Advanced Legal Studiesなどで、同性婚に関するイギリス法の資料・情報の収集を行った。 この他、授業期間中の土日曜日や祝日に、研究テーマに関連する研究会に積極的に出席し、研究報告を行った。 新聞などで報道されているように、アメリカ合衆国連邦最高裁判所が、2013年6月、同性婚の是非が争われた訴訟で、婚姻を男女の関係に限定した結婚防衛法(Defense of Marriage Act)3条を違憲とする判決を下し、アメリカ合衆国の各州で同性婚がますます認められるようになってきているなど、「研究計画」を書いた際に想定していた以上に、世界各国で同性婚が広がっている。本研究においては、同性婚に関する各国の最新の法状況を理解することが不可欠であると考えたため、平成25年度の研究においては、「研究計画」で想定した以上の時間を各国の最新の法状況の理解にかけながら、婚姻・離婚の国際的承認に関する条約、特に、1978年ハーグ条約の我が国の締結可能性について研究を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「研究計画」を書いた際にも、同性婚に関する法状況に変化があることを想定していたが、その想定以上に世界各国では同性婚が広がっており、平成25年度の研究では、想定していた以上の時間を各国の最新の法状況の理解に費やすことになった。 ただ、夏期休暇期間中、オランダのハーグを訪れ、1978年ハーグ条約に関する資料・情報の収集を行うことができたり、また、同性婚に関するイギリスの法状況の調査のため、イギリスのロンドンを訪れることができたほか、授業期間中の土日曜日や祝日に、研究テーマに関連する研究会に出席し、研究報告を行うことができたなど、「研究計画」に書いたとおりに、研究はおおむね順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度も、平成25年度と同様の方法で研究を推進していこうと考えているが、平成26年度は研究最終年度であるので、平成25年度に行った研究をもとに成果をまとめ、公表することに一番力を入れたいと考えている。特に、1978年ハーグ条約についての研究成果は早急にまとめたいと思っている。それに引き続いて、ブリュッセルIIa規則についての研究成果も公表したいと考えているが、その際には、現在、我が国で検討されている家事事件の国際裁判管轄に関する立法作業の動向にも注意を払い、我が国の法状況の変化に対応した最新の研究成果を出すようにする。
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