本研究では、仮釈放のない終身刑を導入した場合に生じると予想される死刑と従来型の無期懲役の量刑基準の変化、および無期懲役が従来より一段軽い刑罰としての順位に変化することによる長期有期懲役の量刑基準の変化を検討する際の議論の根拠を提供すべく、①裁判員裁判施行後の殺人罪有期懲役刑の刑期の基準、②裁判員裁判における死刑と無期懲役の適用基準について、従来の裁判員裁判からの量刑傾向の変化の有無についての確認、③裁判員裁判施行以前の無期懲役と長期有期懲役刑の量刑基準、④平成26年度の少年法改正をふまえた少年に対する無期刑緩和刑としての不定期刑の研究、に取り組んだ。
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