本研究では、以下の点を明らかにできた:すなわち、①おとり捜査が犯罪対策の場面でも有効な措置として利用されること、②具体的には、犯罪の検挙のみならず、むしろ犯罪関連情報の事前収集に役立てられること、③その点で、おとり捜査と潜入捜査とは共通する目的を有すること、④捜査協力型司法取引による供述促進策は法的な問題があるのみならず、その効果にも過度な期待ができないこと、⑤電磁的記録媒体に対する処分により処分対象が格段に広がった点、⑥捜査手法ごとの個別の検討のみならず、それらの複合による権利製薬の増大という点に新たな問題があること、である。
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