本研究は、平成17年までの一連の組織再編法制の改正の意味、さらには同改正が1980年代以降のアメリカを中心とした成立した国際的な信用構造と大きく結びついているとの認識に基づき、その法学的基礎と歴史的基礎(の有無)の検討を通じて、現代の市場と組織が抱える課題に対する見通しを得ようとするものである。第一に、会社資産と債権者の関係に着目し、フランスにおいて法人と組織再編行為が私法上の概念とどのような関係に立っているかが分析された。第二に、会社と構成員との関係について、現代のコーポレート・ガバナンスと資本市場をめぐる構造的問題についての分析を行い、法人論の本格的な検討を行うための試論を行った。
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