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2014 年度 実施状況報告書

フェアネス・オピニオン発行者の責任に関する検討

研究課題

研究課題/領域番号 25780065
研究機関金沢大学

研究代表者

永江 亘  金沢大学, 法学系, 准教授 (20610786)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード民事法学 / 会社法 / 企業買収 / 組織再編
研究実績の概要

本研究は、フェアネス・オピニオンを発行する専門家を念頭に、不適切なフェアネス・オピニオンの発行に係る責任追及について検討するものである。研究担当者はこれまでも、フェアネス・オピニオンがいかなる昨日・問題点を有しているかについて研究を遂行してきたが、これらの研究報告活動を通じて、フェアネス・オピニオンの適切な運用に係る問題点として、発行者の責任への興味関心が高いことを感じ、本研究を着想した。
本年度は申請計画に示した通り、近時米国において変容してきている投資銀行の責任追及の在り方に関して検討を行った。米国におけるフェアネス・オピニオン発行者の責任の議論は、当初、発行者の契約上の注意義務の観点から、株主が当事者の地位に立つか否かを中心に議論が展開し、その後発行者が株主に対して信任義務を負うか、そして当該信任義務を契約によって排除しうるかに変容してきた。本研究では、近時の裁判例を参照しながら、近時の米国においては、当該組織再編における忠実義務違反を問われる被告取締役の責任を基礎に、発行者が当該信任義務違反に係る教唆責任を負うとの判決が出された。当該義務違反に係る責任につき、デラウェア州法上の取締役の免責条項の存在を背景として、被告取締役との間で少額の和解が成立しやすい状況にあり、当該免責状況の射程が発行者に及ばない関係から、結果的に発行者がDeep Pocketとして賠償の対象となりうることが示された。当該事案の検討は、我が国における発行者の責任議論に対する一つのアプローチを提供するものであり、次年度以降の研究の基礎となる研究が実施できた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

申請計画に沿った研究活動を行えた。本研究の成果の一部についても、徐々に公表できるようになったため。

今後の研究の推進方策

申請計画記載の通り、本年度は他の専門家責任の法理との関係について検討し、これまでの研究の総括を行うこととする。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] MBOにおける全部取得条項付種類株式の取得価格決定申立事件 ──ホリプロ事件抗告審決定──2015

    • 著者名/発表者名
      永江亘
    • 雑誌名

      金融商事判例

      巻: 1457 ページ: 4-8

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公開日: 2016-06-01  

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