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2013 年度 実施状況報告書

嫡出推定制度の現代的意義―フランス法を素材として

研究課題

研究課題/領域番号 25780075
研究種目

若手研究(B)

研究機関上智大学

研究代表者

羽生 香織  上智大学, 法学部, 准教授 (30547279)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード嫡出推定 / 父子関係 / 血縁 / DNA鑑定
研究概要

今年度の課題は、嫡出推定制度の機能を明らかにすることであった。法的親子関係の成立において血縁をいかに評価するのかという問題意識の下、主に父子関係の成立において、外国法の分析から、制度元来の機能は何かを検討する。その上で、日本法においてそれとの齟齬や誤認識が生じていないかを検証すべく、二段階の手法で研究を進めた。
結果として、今年度は、特に、日本民法における法的親子と血縁との葛藤を中心に研究を深めた。具体的には以下の通りである。
第一に、比較法に関して、資料収集を進めた。日本法とは異なる親子観とそれに基づく制度を有するフランス法と韓国法における展開についての検討に着手した。親子関係成立における血縁の評価について、制度趣旨と現状、議論の整理に努めている。しかし、文献資料及び情報収集が当初の想定通りには進まず、次年度も引き続き検討を進める。
第二に、国内において、嫡出推定制度に関連する重要な最高裁判例や、新生児取り違え事件報道を契機にDNA鑑定について社会的関心を集めるなど大きな展開があった。これらの国内の動きに関しては個々に考察をまとめた。その上で、両者の関連性の分析は来年度の課題の一つとしたい。
第三に、親子の成立においては、「親になること」のみならず、「誰が親として適格なのか(誰を親とすべきなのか)」という観点からの分析も必要であるとの見解に立ち、親子関係の効果として重要な親権について考察をまとめた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

日本法の検討に関しては計画通り進行している。比較法研究については、今年度はフランスの博士論文を手掛かりに研究を進行すること、日韓の比較を行うことを主たる計画としていた。しかし、文献資料及び情報収集が当初の想定通りには進まなかった。次年度でも、引き続き比較法研究を行なう。

今後の研究の推進方策

次年度は、今年度の日本民法に関する検討を土台として、嫡出推定制度と認知制度との関係、父子関係や母子関係との関係、嫡出推定制度と婚姻制度との関係について考察する。また、比較法研究では、対象とするフランス法や韓国法の現在の議論状況について分析する。

次年度の研究費の使用計画

次年度は、比較法研究に基づいて、日本法の現状を客観的に把握する必要がある。比較法研究をさらに深めるために必要な資料が充分に得られなかったため、次年度も資料収集やインタビュー調査を必要とする。さらに資料を収集して、整理、分析を行う。
次年度は主に資料収集やインタビュー調査に使用する。また、最新の情報を得るため、フランスの法学雑誌(洋雑誌)を継続して購入する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] 子の利益のための介入――親権の一部制限について2014

    • 著者名/発表者名
      羽生香織
    • 雑誌名

      民事研修

      巻: 681 ページ: 16-29

  • [雑誌論文] 実親子関係の存否と相続上の利益2014

    • 著者名/発表者名
      羽生香織
    • 雑誌名

      月報司法書士

      巻: 504 ページ: 62-68

  • [雑誌論文] 嫡出推定される人工生殖子と生殖可能性の不存在2013

    • 著者名/発表者名
      羽生香織
    • 雑誌名

      法学セミナー

      巻: 706 ページ: 14-17

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公開日: 2015-05-28  

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