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2016 年度 実績報告書

嫡出推定制度の現代的意義―フランス法を素材として

研究課題

研究課題/領域番号 25780075
研究機関上智大学

研究代表者

羽生 香織  上智大学, 法学部, 准教授 (30547279)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワード嫡出推定 / 父子関係 / 婚姻
研究実績の概要

研究期間全体を通じて、民法(親子関係法)は血縁といかなる関係性を構築すべきかを検討した。本研究期間内に、親子関係に関連する裁判例が多数現れた。現行法の枠組みを維持しつつ、父子関係を争う場合-嫡出否認、親子関係不存在確認、認知無効-に関しても、女性の再婚禁止期間に関しても、子の法的身分の安定という共通の趣旨を有している。
親子関係の成立においては、子の法的身分を安定させる必要性がある。本研究の主眼である嫡出推定制度は‐嫡出子のみを対象とするが‐、婚姻中の妻が懐胎した子の法的身分の安定性要請に応える仕組みである。さらに、嫡出推定制度は婚姻制度と強く結びついている。ヨーロッパにおいて、婚姻には、夫による妻が産んだ子への引き受けの意思が含まれているとする解釈に象徴されるように、子の父母が婚姻しているということは出生による親子関係の推定を確たるものとする。このことは、嫡出性の付与を婚姻の主要な効果と位置付けた最決平成25年12月10日民集67巻9号847頁からもうかがえる。また、婚姻の主要な効果と関連して、氏を「家族の呼称」と評した最判平成27年12月16日民集69巻8号2586頁から、婚姻制度と嫡出推定制度との関係を考察した。
研究期間全体を通じて、歴史的変遷であるタテ軸と比較法的視点であるヨコ軸とを意識した。嫡出推定制度は、ローマ法にその起源を有し、現在においてもなお各国の立法に存在する(ただし、制度の枠組みに修正が加えられている)。一貫して、子の身分の安定要請に応えるための制度であり(ただし、嫡出子のみを対象とする)、現在においてもその意義は失われていない。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 「婚姻の効果としての夫婦同氏―民法750条の合憲性」2016

    • 著者名/発表者名
      羽生香織
    • 雑誌名

      新・判例解説Watch

      巻: 19 ページ: 109-112

  • [雑誌論文] 「養親が高齢である場合の意思能力および縁組意思の認定」2016

    • 著者名/発表者名
      羽生香織
    • 雑誌名

      金融・商事判例

      巻: 1486 ページ: 96-99

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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