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2015 年度 実績報告書

成年者の身上監護をめぐる法的課題の研究―包括的な意思決定支援制度の構築にむけて―

研究課題

研究課題/領域番号 25780077
研究機関早稲田大学

研究代表者

橋本 有生  早稲田大学, 法学学術院, 助教 (90633470)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード障害者権利条約 / 法的能力 / 意思決定支援 / 身上に関する事項 / 人格的利益の保護
研究実績の概要

1 最終年度に実施した研究
本年度は、3つの事項について研究を実施した。まず、障害者権利条約が締約国に求める障害者の法的能力の平等について整理し、この点に関するイギリス国内の議論を調査した。近時、わが国も障害者権利条約を批准しており、精神障害により判断能力が不十分な要保護者の権利を保障するための法的枠組みを作るためには、この条約に抵触しないようなシステムを考える必要がある。そのためには、2009年に同条約を批准し、わが国とは異なる要保護者の意思決定支援制度を有しているイギリスでの議論を探求することは示唆的であった。
次に、わが国において要保護者の生活支援とかかわりを持つ諸機関(地域包括支援センター、社会福祉協議会、医療・介護従事者、後見人等および家族)の職務権限および責任について調査した。この研究を通じて、現行制度の下で、要保護者の身上監護のための意思決定支援を行うためには、各機関がどのような職務を執行し、どのような点において連携を図る必要があるのかを明らかにした。
最後に、要保護者については身上監護事項のほかに、その身分に関する決定についても問題が生じている点に着目し、要保護者の養子縁組の有効性をめぐる裁判例をもとに、現行法の下で、養子縁組を行うために必要と考えられている意思能力の内容および基準について研究を行った。この研究を足掛かりに今後はさらに他の身分行為についても検討し、最終的には本研究課題が対象とした身上監護事項と併せて、要保護者の意思決定支援のあり方について考えていきたい。
2 研究期間全体を通じて実施した研究
身上監護事項の中でも、特に要保護者の自律と保護の利益調整が困難である事項の一つに、居所の決定や面会交流の制限があげられる。本研究期間を通じて、これらの事項の決定における要保護者の人格的利益の保障に必要な法的枠組を検討し、博士論文にまとめた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2016 2015

すべて 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [学会発表] イギリス成年後見制度に関する近時の動向-障害者権利条約と関連する議論を中心に2016

    • 著者名/発表者名
      橋本有生
    • 学会等名
      比較後見法制研究所定例研究会
    • 発表場所
      早稲田大学
    • 年月日
      2016-02-27
  • [学会発表] 判断能力を欠く成年者の自由剥奪手続きの『合理化』(streamlined)をめぐる議論のゆくえ2015

    • 著者名/発表者名
      橋本有生
    • 学会等名
      英米家族法判例研究会
    • 発表場所
      早稲田大学
    • 年月日
      2015-09-26
  • [図書] 成年後見人の医療代諾権と法定代理権2015

    • 著者名/発表者名
      橋本有生
    • 総ページ数
      24
    • 出版者
      三省堂

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公開日: 2017-01-06  

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