本研究は、ドメスティック・バイオレンス(以下DVという)被害者の支援の現状と課題、特に被害者支援における警察の役割について、諸外国の法制度と比較・検討するものである。 例えばアメリカでは暴力に対してNoを突きつけることが社会の共通認識となり、逮捕強制政策をとる州も多い。DVを家庭のもめ事としてではなく、公衆衛生や刑事司法など社会に直面する問題として捉え、警察の一貫した対応、被害者の安全確保や加害者対応、被害の予防や暴力防止教育、自立支援や心のケアなど、多岐にわたりワンストップで組織的な支援が行われている。DV事案において、警察はどのような役割を担っているのであろうか。
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