研究実績の概要 |
本研究は、政治学の分野において、制度論の立場から官僚制について考察する。中央官庁における官僚の行動・実態について、(1)行政機関における人事の変遷(2)官僚の行動が公共政策に与える影響、の2点の視点から以下の研究を行った。 第一に、官僚制とりわけ中央官庁の人事の基礎的情報の整理のため、関連資料の探索と中核となる研究資料である、旧内務省系の事務系キャリア官僚に関する資料である内政関係者名簿のデータベースを実施した。これらを個人情報保護に配慮した措置を講じた上で個人別に時系列に整理し、その官職の移動が明らかになるように整理を行った。 第二に、先行して研究を推進している特に官僚の行動が公共政策に与える影響については、クリエイティブ産業政策ないしこれらを活用するクール・ジャパン政策を中心として引き続き研究を推進するとともに、その成果の一部を公表した。 本研究に関連する成果として、『クリエイティブ産業論―ファッション・コンテンツ産業の日本型モデル』(慈学社出版)、『衣服の百科事典』(丸善出版, 「ファッション産業活性化に向けた新たな試み」,「衣服に関係する産業の現状」「ファッション産業のグローバル化」の3項目)などの図書、学術論文・学会発表を通じてを通じて成果を公開した。 本研究の今度の展開として、以下が考えられる。第一に、デジタル化し整理された内政関係者名簿は入手が可能であったものであり、数年度分が入手できなかった。今後の研究ではこれらを補完し完全なものとし、これらのデータを公開することで、政治学・行政学一般に有用な資料として提供すること、また産業政策等関連分野での活用に資するようにすることである。
|