本研究課題は、戦前期日本におけるインテリジェンス活動の実態解明を目指し、先行研究において取り上げられることが多かった陸海軍によるインテリジェンス活動のみならず、外務省や出先機関によるインテリジェンス活動にも注目した。 その結果、先行研究では十分に解明されてこなかった外務省と陸海軍、あるいは本省と出先機関との関係を解明することが可能となった。この知見はオーソドックスな外交史研究とは異なる視点を提示したことを意味しており、今後の外交史研究を発展させる上で重要な視座を提供したと思料する。また、本研究課題で解明された事実は、日本政治外交史のみならず、国際関係論などの分野に対しても、波及効果が期待できる。
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