本研究の目的は、現代日本の選挙動員について有権者レベルでの検討を加えることで、従来ブラックボックスとなっていた、動員がなぜ機能するのか/しないのか、また、その帰結を明らかにすることである。主たる研究対象は日本の有権者で世論調査データを用いて検証を行ってきた。 本年度は、昨年度に実施した衆院選ウェブ調査について分析を加え、自民党組織と利益団体の関係、自民党選挙戦略と有権者の政策態度の関係などについて共著(分担執筆)にまとめた。 本年度の後半は、本研究課題の3年間の成果を博士論文(早稲田大学政治学研究科に2016年3月に提出)としてまとめる作業に費やした。博士論文では、実証分析の章において、(1)組織動員が有権者の経済投票のパターンに与える影響、(2)動員交差圧力が有権者の政治認知に与える影響、(3)動員交差圧力が有権者の投票参加に与える影響、(4)組織動員が有権者の世論調査回答に与える影響が取り扱われている。
|