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2013 年度 実施状況報告書

政党マニフェストの時系列データ構築と政策位置の推定

研究課題

研究課題/領域番号 25780104
研究種目

若手研究(B)

研究機関早稲田大学

研究代表者

日野 愛郎  早稲田大学, 政治経済学術院, 准教授 (30457816)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワード政党 / マニフェスト / コンピュータ・コーディング / 計量テキスト分析 / 政策位置
研究概要

本研究の目的は、政党の選挙公約、ならびに政党マニフェストを時系列に収集し、各種コーディング技法を用いながら、各政党の政策位置を推定することである。日本における選挙公約研究は、これまで選挙公報を中心に候補者単位で蓄積されてきたが、政党単位の選挙公約は体系的、かつ通時的には収集されてこなかった。本研究は、政治学において高い資料的価値を持つ政党の選挙公約を収集し、近年急速に発展を遂げているコンピュータによるコーディング技術を応用して政党の政策位置を推定する。従来ヒューマン・コーディングを中心になされてきた政党マニフェストの研究を、計量テキスト分析を用いたコンピュータ・コーディングのもとで発展させることが本研究の狙いとなる。
本年度は、過去の政党マニフェストを収集し、データベースを作成した。1996年衆院選から2013年参院選までの12の国政選挙を対象とし、延べ138個の政党マニフェストを収集した。収集したマニフェストには、全てIDを付し、電子化されたPDF版と一体的にデータベース管理できるシステムを構築した。また、テキスト化できる政党マニフェストについては、テキスト版も合わせてデータベース化した。今後は、光学文字認識ソフトを使い、残りの政党マニフェストについてもテキスト化を進める予定である。
本年度は、来年度以降に採用する政党位置推定のコンピュータ・コーディング技法の検討も進めた。国会議事録データベースを利用して、首相の所信表明、施政方針演説や各党党首の代表質問のテキストから、各党の位置を推定することを試み、共同研究の成果を海外の学会で報告した。また、政党システム変化を測定する際に用いられる変易性(volatility)の指標を精緻化することを試みた論稿をワーキングペーパーとして刊行した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成25年度の研究実施計画であった、過去の政党の選挙公約、ならびにマニフェストを体系的、かつ通時的に収集することは、概ね達成できた。また、ヨーロッパの計量テキスト分析に詳しい研究者と共同研究を進め、コーディング方法を検討することもできた。

今後の研究の推進方策

収集できなかったマニフェストについては、引き続き、国立国会図書館や政党本部等への問い合わせを通じて収集し、データベースを充実させる。政党マニフェストを国際比較研究(Comparative Manifestos Project)の分類に沿ってヒューマン・コーディングするプロジェクトが存在するため、本研究では、コンピュータ・コーディングを通して政党競争の位置を推定することに注力する。そのためには、収集したマニフェストをテキスト化する必要があり、光学式文字認識ソフトを使いテキストのデータベース化を進める。テキスト化されたデータをもとに、計量テキスト分析の手法を用いて、政党位置の推定を進める。

次年度の研究費の使用計画

収集したマニフェストの多くが既にPDF化されたものであり、その多くが画像ファイルとして保存されていたため、別途テキスト化する必要が生じた。そのため、平成26年度の計画として、高性能の光学式文字認識(OCR)ソフトを購入する次年度使用額が生じた。また、テキスト化の作業は、マニフェストの収集を終えてから一括して行うことにより効率化を図れるため、マニフェストの収集が終了する次年度以降に予算を繰り越した。
平成26年度は、画像ファイルとして保存されている政党マニフェストをテキスト化するために、高性能の光学式文字読取装置(OCR)ソフトを購入し、昨年度収集された政党マニフェストをテキスト化する予定である。政党マニフェストのテキスト化は、マニフェストの収集を終えてから、一括して行い効率化を図る。テキスト化された政党マニフェストをデータベース化し、計量テキスト分析によるコンピュータ・コーディングを進める。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 視線追跡で明らかにする調査回答過程2014

    • 著者名/発表者名
      日野愛郎・山崎新・遠藤晶久
    • 雑誌名

      選挙研究

      巻: 30 ページ: 31-43

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Party System Dynamics in Japan: Measuring the underlying changes and status-quos2013

    • 著者名/発表者名
      Airo Hino
    • 雑誌名

      Working Paper Series, Institute for Research in Contemporary Political and Economic Affairs, Waseda University

      巻: No. E1310 ページ: 1-17

  • [学会発表] Measuring Party Competition from Legislative Speeches: Analyses of Japanese Parliamentary Debates, 1953-20112013

    • 著者名/発表者名
      Airo Hino, Luigi Curini, and Atsushi Osaki
    • 学会等名
      European Consortium for Political Research General Conference
    • 発表場所
      Science Po Bordeaux
    • 年月日
      20130904-20130907
  • [学会発表] Looking at how respondents look at survey questions: Eye-tracking examination of response order effects in party support question and value batteries

    • 著者名/発表者名
      Airo Hino, Arata Yamazaki, Masahisa Endo
    • 学会等名
      2014 Asian Political Methodology Meeting Poster Session
    • 発表場所
      Tokyo Technology University
  • [図書] ヨーロッパのデモクラシー(改訂第2版)2014

    • 著者名/発表者名
      日野愛郎「オランダ・ベルギー」網谷龍介・伊藤武・成廣孝編
    • 総ページ数
      49
    • 出版者
      ナカニシヤ出版
  • [図書] 世論調査の新たな地平―CASI方式世論調査2013

    • 著者名/発表者名
      日野愛郎・田中愛治編
    • 総ページ数
      327
    • 出版者
      勁草書房

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公開日: 2015-05-28  

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