研究課題/領域番号 |
25780104
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
日野 愛郎 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (30457816)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 政党 / マニフェスト / コンピュータ・コーディング / 計量テキスト分析 / 政策分析 |
研究実績の概要 |
2014年度の研究実績の概要は以下の3点にまとめられる。 (1)まず、政党の政策位置推定の準備を進めるため、政党マニフェストのコーディング手法に関する専門家のベルギー・ブリュッセル自由大学のRegis Dandoy氏を訪ね、本研究課題において採用するコーディング方法の妥当性と信頼性について意見交換を行った。Dandoy氏は、政党マニフェストのコーディング手法に関する研究をもとに博士号を取得されており、本研究が採用するコーディング手法の検討を重ねる上で、有益な示唆を得た。Dandoy氏は、2014年5月に実施されたベルギー総選挙において、各政党のマニフェストを、辞書的アプローチに基づくコンピュータ・コーディングにより、政策分野ごとの傾向を数値化するプログラムを組んでいた。これらの実践的取り組みを実地で観察することができたのみならず、辞書的アプローチの可能性と限界について理解を深めることができた。 (2)次に、2013年度に収集した画像ファイルとして保存されている政党マニフェストをテキストデータ化し、計量テキスト解析により政党の政策位置を推定する準備を進めた。RAを雇用し、光学式文字認識(OCR)ソフトを用いて、収集した政党マニフェストをテキストデータ化する作業を進めた。光学式文字認識(OCR)ソフトの誤変換によるバグ取りを引き続き進める必要がある。 (3)以上の2点の準備作業を踏まえて、テキストデータから政党位置を推定する手法の検討を重ねた。上述の辞書的アプローチに加えて、比較マニフェストデータ(CMP)プロジェクトの政策分類に従ってヒューマン・コーディングにより分類された教師データをもとに、機会学習アプローチによるコーディングを検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成26年度の研究実施計画であった、政党マニフェストをテキストデータ化することを概ね達成できた。また、コーディング手法について十分に検討を重ねることができた。以上の理由により、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
政党マニフェストのテキストを引き続きデータベース化する。光学式文字認識ソフトによる誤変換のバグ取りを進め、分析に用いるテキストデータを完成させる。コーディング手法の長所、短所を引き続き検討したうえで、政党位置の推定を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
2014年度は2月末までマニフェストのテキストデータベース整備を進めたため、年度の最終的な支出がRA業務となった。RAの業務を予算内に収めるため、端数として568円が残った。
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次年度使用額の使用計画 |
2015年度においてもマニフェストのテキストベース整備の作業を引き続き進め、2014年度の残額を使用する。
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